やはりクロス環境はDockerが簡単(失敗編)

本命だろうと思うDockerでやってみる。以前に、

https://isehara-3lv.sakura.ne.jp/blog/2023/04/22/dockerでgolangのbuild環境を作る/

で作成しているDockerのコンテナ起動して、コンソールからRustインストールすると当たり前にコンパイルできる。crossを使わなくてcargoで普通に管理できるからやはりこれが本命。

ペリフェラルを使うためのライブラリは、

https://github.com/golemparts/rppal

を使うのが一般的のようなのでこれを使ってみます。基本のLチカというサンプルがあったので、GPIOを使ったサンプルプログラムをビルドしてみました。

https://misoji-engineer.com/archives/rust-led.html

このソースのままでmain.rsにコピーしてcargo buildでコンパイルが完了しました。

コンパイル前には、Cargo.tomlの[dependencies]にrppalの追加が必要です。Rustは必要なライブラリをソースコードとは別に定義ファイルで管理するようになっています。

# cat Cargo.toml
[package]
name = "led_blink"
version = "0.1.0"
edition = "2021"

# See more keys and their definitions at https://doc.rust-lang.org/cargo/reference/manifest.html

[dependencies]
rppal = "0.14.0"

初回はrppalのコンパイルも入るので多少時間はかかりますが、次回からは短縮されるはずです。

# cargo build
    Updating crates.io index
  Downloaded rppal v0.14.1
  Downloaded libc v0.2.147
  Downloaded 2 crates (766.8 KB) in 0.86s
   Compiling libc v0.2.147
   Compiling rppal v0.14.1
   Compiling led_blink v0.1.0 (/root/rust/led_blink)
    Finished dev [unoptimized + debuginfo] target(s) in 21.72s

P.S. (2023/8/5)

ラズパイzeroに転送して実行させると、

$ ./led_blink
Illegal instruction

と言われた、ラズパイzero上にRustをインストールしてビルドさせるとおよそ2分でビルド出来たから、実機ビルドでも取り敢えず許容範囲。

<実行させたコード:0.1秒ごとにハイ・ローを切り替え>

extern crate rppal;

use std::error::Error;
use std::thread;
use std::time::Duration;

use rppal::gpio::Gpio;

const GPIO_LED1: u8 = 17;
const GPIO_LED2: u8 = 27;

fn main() -> Result<(), Box> {

    let mut led1 = Gpio::new()?.get(GPIO_LED1)?.into_output();
    let mut led2 = Gpio::new()?.get(GPIO_LED2)?.into_output();

    // Blink the LED by setting the pin's logic level high for 1000 ms.
    loop{
        led2.set_high();
        led1.set_high();
        thread::sleep(Duration::from_millis(100));
        
        led1.set_low();
        led2.set_low();
        thread::sleep(Duration::from_millis(100));
    }
}

確認はピンの信号波形をオシロで観察、

 

admin

Linux用のクロスコンパイル

以下のサイトを参考にx86のLinux環境でのクロスはできた。

https://betterprogramming.pub/cross-compiling-rust-from-mac-to-linux-7fad5a454ab1

結構普通のやり方だと思うけど、brewでターゲット用のlinkerをインストールしているのが大事なところでしょう。ラズパイ用がbuild出来ないのもおそらくlinkerをインストールしていないからでしょう

% brew install SergioBenitez/osxct/x86_64-unknown-linux-gn

.cargo/config.toml を作成編集

and adding the linker for the target:

[target.x86_64-unknown-linux-gnu]
linker = "x86_64-unknown-linux-gnu-gcc"


% TARGET_CC=x86_64-unknown-linux-gnu cargo build --release --target x86_64-unknown-linux-gnu
   Compiling rust v0.1.0 (/Users/xxxxx/rust)
error[E0463]: can't find crate for `std`

=> 見覚えのあるエラーがやはりでる。

% rustup target add x86_64-unknown-linux-gnu

でライブラリインストールして解決。

% TARGET_CC=x86_64-unknown-linux-gnu cargo build --release --target x86_64-unknown-linux-gnu
   Compiling rust v0.1.0 (/Users/usamiryuuichi/rust)
    Finished release [optimized] target(s) in 1.60s

.cargo/config.tomlはディレクトリの親含めて検索するようですが、今回はプロジェクトのルートに作成。

クロスコンパイルなのでコンパイル時間はネーティブよりかかるのはGolangと同じです。Docker使ってもできるはず、というかラズパイ用のlinkerは同サイトには見えないのでDocker使うのが一番素直な感じがします。Golangでネーティブのgccを使わない限りにおいてはDockerは必要ないので、この点ではGolangのほうが使いやすさはあります。

動作はIntel MacのVMware上のUbuntuで確認しました。

 

admin

M1 MacでRustの環境

動かすのはラズパイでIoT的な物にしたいが、まずはMacで開始します。

Rust関連のインストール(やり方は公式ページなど参照)、

% rustc --version
rustc 1.71.0 (8ede3aae2 2023-07-12)

% cargo version
cargo 1.71.0 (cfd3bbd8f 2023-06-08)

% rustup --version	// Rust tool chain, cargo(Rust's package manager)とは併用
rustup 1.26.0 (5af9b9484 2023-04-05)

cargo-editはcargoの拡張機能、単独のコマンドではない
% cargo install cargo-edit

% cargo install cross

クロス環境用にcrossをインストールしますが。本来的にはcargoはRustのパッケージ管理とビルドツール。crossはクロスコンパイル環境ですが、実はcrossはDockerにターゲットDockerイメージを展開してコンパイルするようになっています。

Intel Mac用のコンパイル(cargo build)と実行(cargo run)

コードは、

https://isehara-3lv.sakura.ne.jp/blog/2023/01/19/rustの基本的なsyntax/

% cargo run --target x86_64-apple-darwin     

    Finished dev [unoptimized + debuginfo] target(s) in 0.00s
     Running `target/x86_64-apple-darwin/debug/rust`
i = 0
i = 1
i = 2
i = 3
i = 4
i = 5
i = 6
i = 7
i = 8
i = 9
i = 10

内部的にはRosetta2使っているだろうから、Intel用のバイナリでもそのまま実行できます。もちろん実行ファイルを直接呼び出して

% ./target/x86_64-apple-darwin/debug/rust 

も結果は同じ。Intel Macに転送して実行してもきちんと実行できました。

 

P.S. ラズパイ用のクロスコンパイルはエラーになる、追加の設定(Linker設定してないから)が要りそう。ネットの情報は古くてあまり参考になるものは少ない。

% cargo build --target thumbv6m-none-eabi    
   Compiling rust v0.1.0 (/Users/usamiryuuichi/rust)
error[E0463]: can't find crate for `std`

~~以下省略~~

 

admin

ラズパイでRust

を今年の後半はRustの勉強兼ねて使ってみようと思う。GPIOなどの固有ハードウェア操作用の基本的なライブラリはすでに存在するだろうから。

https://misoji-engineer.com/archives/rust-led.html

クロス開発環境はDocker(GolangのネーティブC環境の必要性と同じく)になるのかそれともGolangと同じようにターゲット指定で済むのか、その前にRustの基本的な部分の習得が先ですが。

https://isehara-3lv.sakura.ne.jp/blog/category/rust/

はPlayground使って初めてのRustですが、オンラインの学習用には、

https://doc.rust-jp.rs/book-ja/title-page.html

あたりが適切のように思う。

 

P.S. (2023/8/2)

クロスコンパイルはcrossツールを使いますが、実はDockerの中にターゲットのイメージを展開して実行されます。従って賢いやり方ですね、Golangと比べても。

 

admin